職質の隙にパトカー窃盗...道志で8月

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通報で駆け付けたパトカーを盗んだなどとして、神奈川、山梨、群馬県警の合同捜査本部は4日、横浜市保土ヶ谷区新井町、自称とび職萩原利行被告(50)(覚醒剤取締法違反で起訴)と神奈川県綾瀬市寺尾西、自称建設業国分政彦容疑者(46)を窃盗と窃盗未遂の両容疑で逮捕したと発表した。山梨県警はパトカーが盗まれたことをこの日まで公表しておらず、「すぐにパトカーが見つかったので周知の必要はないと判断した」としている。

◆県警「周知必要ない」公表せず

 発表によると、2人は8月2日午前5時5分頃、道志村の土木会社駐車場で、エンジンがかかっていた無人のパトカーを奪って逃走した疑い。2人は現場でダンプカーを盗もうとしていたといい、通報で駆け付けた大月署の男性巡査部長が国分容疑者から話を聞いている隙に、萩原被告がパトカーに乗り込んだという。巡査部長は職務質問の様子をドライブレコーダーで撮影するため、エンジンをかけたままにしていたという。

 パトカーは現場から約200メートル離れた路上で発見されたが、2人は乗ってきた乗用車で逃走していた。

 捜査本部は、2人が3県で組織的に窃盗を繰り返しているグループの一員とみて調べている。萩原被告は「2人でやった」などと供述し、国分容疑者は容疑を否認しているという。

◆エンジンかけたまま「規律違反はない」

 山梨県警は、エンジンをかけたままパトカーから離れた巡査部長の行為は「明らかな規律違反にはあたらない」としている。

 県警によると、巡査部長は現場から近い道志駐在所の勤務で、1人でパトカーに乗って現場に駆け付け、2人から話を聞くためパトカーから離れ、無人になった隙を突かれてパトカーを盗まれた。萩原被告はパトカーを盗んだ理由について「逃げるのに邪魔だったのでどかしたかった」と話しているという。また、パトカーから装備品が盗まれるなどの被害はなかったという。

 パトカーを無人にする際は、鍵を掛けるべきかドライブレコーダーで現場を録画するべきかはその場の判断に任せられており、「規律として明文化していない」(県警監察課)という。同課は「巡査部長に規律違反はなく、懲戒処分は行わない。ただ、短時間でもパトカーを盗まれたのは重大で、再発防止に努めたい」としている。

(公務執行妨害と窃盗だけですまされるのでしょうか)