運転の職員「今日は体調悪い」...介護送迎車事故

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群馬県太田市で通所介護施設の送迎用ワゴン車が交番に突っ込んだ事故を受けて、県は28日、県内の約2400の介護サービス事業所に対して、送迎車の運転手の健康管理の徹底などを求める通知を出した。

 今回の事故は運転手の病気が引き起こした可能性があり、県警も注意を呼びかけている。

 県警によると、事故は25日夕に発生し、運転していた施設の男性職員(当時53歳)が死亡、同乗していた70~80歳代の複数の利用者が腰などを打って軽傷を負った。捜査関係者によると、男性職員には心臓の持病で通院歴があった。事故当日の午前中、同僚に「今日は体調が悪い」と話し、車の中で休養していたという。

 司法解剖の結果、男性職員の死因は内因性急死の疑いだった。県警の調べに対し、同乗していた利用者は「(現場の)交差点の手前付近で、急に運転手がいびきをかき始めた」と語った。また、助手席の利用者は男性職員が意識を失ったことに気付き、事故を避けようとハンドルを切ったが、そのまま交番に突っ込んだという。

 県介護高齢課は28日、「交通事故防止と従業員の健康管理の徹底」と記載した通知書を県内の介護サービス事業所に送付した。職員の健康管理について、法律に基づいた健康診断の実施や、運転業務に従事する際の注意を求めた。

 県警交通企画課によると、介護車両が関係した死亡事故は2011年に2件、12年に3件発生した。今年8月中旬には太田市内の県道で、病院の患者6人を乗せた車がガードレールなどに衝突し、患者の男性(当時87歳)が死亡する事故が起きている。同課は「高齢者は、軽微な事故でも重篤な傷害を負うことが多い。運転手に講習を受けさせるなどして、事故防止を徹底してほしい」としている。