32歳被告に2審も懲役22年

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 北海道小樽市で昨年7月、海水浴帰りの女性4人がレジャー用多目的車(RV)にはねられて3人が死亡した事件で、自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)と道交法違反(ひき逃げ)に問われた札幌市西区の元飲食店従業員、海津(かいづ)雅英被告(32)に対する控訴審の初公判が8日、札幌高裁であり、即日結審した。高橋徹裁判長は「1審判決に不合理な点はない」と述べ、懲役22年とした札幌地裁の1審・裁判員裁判判決を支持し、被告側の控訴を棄却した。被告側は上告を検討するという。

 この裁判では事故原因が争点となり、検察側が「アルコールの影響」と飲酒運転を主張する一方、弁護側は「スマートフォン操作による脇見運転」として過失致死傷罪の適用を求めており、控訴審でも「酩酊(めいてい)状態だったとは言えない」と改めて訴えていた。

 高橋裁判長は判決理由で、「15〜20秒間にわたって下を向き続けており、通常は考えがたい異常な運転」とした上で、「アルコールの影響により前方を注視することが困難な心身の状態にあったと認められる」と検察側の主張を全面的に認めた。

 また、「1審判決の量刑が重い」という被告側の主張については、「被害結果が極めて重大。身勝手かつ卑劣な行為というほかなく、量刑が重すぎて不当であるとは言えない」と退けた。

 札幌高検の矢野元博次席検事は「1審に引き続き、検察の主張・立証にご理解をいただいたと考えている」、被告側代理人の笹森学弁護士は「厳しい判決を予想していたので、(被告に)動揺はなかった。『上告は(弁護士らと)相談して考えたい』と言っていた」と述べた。

 一方、被害者遺族は連名で「1審判決が維持されたことに安堵(あんど)している。きょうの判決を一つの区切りにしたい。飲酒運転のない世の中が来ることを願っている」とのコメントを出した。