介護施設の送迎車事故、死亡3件 今年の県内、職員の添乗が少なく

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県内では今年、介護施設関係の交通死亡事故が3件発生。山形市では3月、送迎車とトラックが衝突し、利用者ら7人が死傷した。今月は鶴岡市で、送迎車が沿道にいた男女2人をはね、死傷。上山市では障害者施設(山形市)のワゴン車が対向車と衝突、利用者の30代男性が亡くなった。

 ドライバーはいずれも介護士ら職員。車に他の職員が添乗していたのは山形のみだった。他2件では職員が車内の利用者に気を配りながらハンドルを握った。上山のケースの施設は、利用者の障害の程度に応じて添乗員を伴うことにしていた。ただ「職員数は限られ、1人で運転する場合が多い」と担当者。亡くなった男性は程度が重く「配慮が必要だった」と悔やむ。

 「人命が最優先だ」。勉強会で講師を務めた佐藤守山形署交通1課長は強調する。介護職員らの業務中の人身事故は同署管内で昨年17件。約7割が追突事故で原因の多くは前方不注意だった。業務の掛け持ちが疲労を招いていると分析する一方「適度な緊張感を持ってほしい」とし、交通法令の順守などを呼び掛けた。

 施設管理者には、職員が運転に集中できる環境の整備を要請。職員の添乗▽健康状態の管理▽経路の適切な指導―などを求めた。混雑などで送迎時間がずれ込む場合もあるが「焦りは事故の元。管理者もそれを承知してほしい」と話した。

(介護施設の送迎車両の事故ですが、もちろん救急車などの緊急車両ではないため通常の事故として扱われます)