保険料改定の謎

適正な保険金を支払うために必要な保険料の水準を定期的にチェックし、保険料を取り足りてないという状況になれば見直しをするのが算出機構の役割になるわけだ。

(第三者機関である損害保険料率算出機構の収支調整があっても赤字です)

第三者機関が自動車保険の収支が合うよう調整してくれていることになる。ところが、業界団体である日本損害保険協会によると「ここ2~3年は赤字が続いている状況」(業務企画部自動車・海上グループ)。

(入るものが減れば出るものも減らす)
これは「若年層のクルマ離れで、本来であれば新規で契約される方、どちらかというと保険会社にとって保険料を高くもらえる方、そういった方が入ってこなく なることで保険料が減っている。その一方で保険金の支払い額は全体として増えているので、自動車保険単体でみると赤字になっている」とのこと。

(自動車が減っているのだから事故も減り保険も減り帳尻は取れていると思うが)

保険金の支払いが増えているという説明だが、「平成24年版警察白書」によると交通事故発生件数および負傷者は2011年まで7年連続で減少しており、このうち発生件数は19年ぶりに70万件を下回っているのが実態だ。

(未だに不払いは大きな問題です)
この点について損保協会は「保険金の不払い問題が背景にある」と明かす。これは「保険商品がどんどん複雑になっていって、お客さんはもちろん、販売の現場 でもどういった時にどういう保険金が支払われるのか解り難くなっていった結果、本来支払われるべきものが支払われていなかったケースが発生した」のだとい う。

(不払いは良くないですが、適正な支払いは良いと思います。)
そこで「保険会社としては、できるだけ適正にお支払いするため、より積極的にお客さんにアプローチするようになった。以前はお客さんから請求された部分は 支払っていたが、それ以上の部分は何にも手をつけなかった。しかし不払い問題を受けて、事故の状況や身体の具合などをしっかりと聞いた上で、『ここまで支 払えます』という対応を徹底してやるようになった」としている。

(本来あるべき後遺障害が見逃されていただけです)
また「交通事故死者数は確かに減ってはいるが、その代わりに後遺障害が増えている。中でも軽度の後遺障害が全体を押し上げている。例えばムチ打ち。従来で あれば傷害の部分だけで支払っていたものが、後遺障害として支払うとそれだけ保険金膨らむ。こうした積み重ねが保険金の増加につながっている」という。

<小松>